営業 PR

行くな!老健の営業

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

介護老人保健施設の理解を深める

介護老人保健施設の解説

介護老人保健施設は老健と表記されることもあります。

根拠法

介護保険法第8条

受け入れ介護度

要介護1~5
日常生活に戻るためにリハビリが必要な高齢者が対象のため3~6ヶ月の入所期間になります。比較的空きが出るのが早いために人の出入りは多くなります。

薬局との関わり方

医師は常勤での配置が定められているので、施設内の医療提供は常勤医師が行います。薬は施設内の薬剤師が行うこともありますが、まれに調剤委託をしていることもあります。指示箋は常勤医師から発行されます。

老人保健施設では医療保険が適応になりませんので全額自費扱い(施設負担)です。

ただし、高額な薬剤などを用いると施設の負担になるので、ジェネリック医薬品や減薬などのニーズが高くなります。全額自費での扱いになるために1人当たりの調剤料を事前に設定するなど補填している場合が多くあります。

委託費は地域や施設規模によって格差があるために一概には言えませんが、0~数千円まで様々です(0円ってなんで受けているのか理解できませんが…)。平均すると2000円前後が多いようです。

介護保険を利用した居宅療養管理指導や、医療保険を利用した在宅患者訪問薬剤管理指導などは算定できません。

営業オススメ度:★☆☆☆☆

このブログを読んで頂いている方にはこれだけは伝えたいです。「絶対に行くな」です

医療保険での算定ができません。老健にとっては薬剤費(+薬局委託費)はコストにしかなりません。ほとんどの施設では薬剤費を削減することで老健の収益を上げることを狙っています。コストを削減することで充実したリハビリを行い、在宅復帰を狙っています。しかし、入所できるのは介護認定を受けたリハビリが必要な高齢者が対象なために薬が必ず必要になります。

ここでモデル患者との比較をしてみましょう。ちなみに実際の技術料と比較するのは委託費になります。

モデル患者

80歳男性 糖尿病、高血圧、脂質異常症

調剤基本料1(42点)、地域支援体制加算(38点)、後発医薬品調剤加算3(28点)、内服薬30日分(77点)、内服薬30日分(77点)、内服薬30日分(77点)、一包化加算(160点)、薬剤服用歴管理指導料(43点)

→技術料542点

モデル技術料収益と実際の委託費の比較

モデル技術料:542点=5,420円(1人当たり)

委託費(私の場合):2,000円(1人当たり)

上記を見て頂ければわかると思います。実際よりも収益が落ちます。

ここまでは収益面での話になりますが、やりがい面でもあまりオススメすることはできません。在宅復帰を目指すという名目があるので、患者に対して深く介入することもなくというのが印象です。いつの間にか退所していたなんてこともよくあります。

老健に関しては少し癖のある常勤医を相手になることがあります。委託元の老健でも既に3回も医師が変わっていますが、少し癖のある医師がいる印象です(個人的の感想です)。とにかくコストダウンの指示が下りますので、とにかく薬の削減や安価な薬剤への変更や相談が多くなります。私のところにも「効果」よりも「薬価」という指示がありました。この点からも私自身が薬剤師としてうまく介入する方法を見出せていません。

上記の理由から★1つ(営業をオススメします)とさせていただきました。

老健への営業プラン

私自身は頼まれたからやっている…

老健に対しては頼まれたからやっているというのが現状です。

あくまでも個人の自由ではありますが、老健に営業いくのであれば特養やグループホームに営業に行くべきというのが私の考えです。

この記事のまとめ

最後にまとめです。★1つの非オススメです。これは私の担当している施設だけなのかもしれません。もっとやりがいやメリットがあるという反論もあるかもしれません。

私は老健の運営を否定しているわけではありません!営業に視点をおくと優先順位は下がるということを伝える記事です。老健は高齢者の在宅復帰を目指す施設のため、介護施設の中で重要な位置づけを担っていますので、その点はご理解ください。

老健での営業に関しては、ある程度の契約金など折衝力が必要になります。言われるがままで契約をすると少しデメリットが大きくなる可能性があります。具体的な金額の提示なども併せて行うと、自身に不利な形にならないと思います。

それでは楽しんで営業を!

ここだけのナイショの話

老健の常勤医と減薬についての定期面談をした際に「私は認知症の専門だから、こんな聞いたこともない薬は使わなくも良い」と全部削除されたのがメマリーでした。3年前くらいの話です。メマンチンを知らない認知症の専門もいるのだと驚きましたが、軒並み患者の認知機能が低下・BPSDの悪化があり、そのときメマンチンは効果があるのだと実感しました。

一度受けると辞めづらいのも悪い性格ですね。