高校3年生の夏、進路を聞かれた私は「南極に行きたい」と答えた。県内の進学校に通っていた私は冒険家になりたかった。当時の私は千葉大学理学部地球科学科から南極越冬隊に行き、研究を行っていくことを目論んでいた。とにかく南極に行くために研究をしたかった。
「そんなところに行って何になるの?」
そう問うてきたのは父親だ。
ドリームキラーの存在を知る
ドリームキラーとは何か
ドリームキラーは、「夢を壊す人」という意味で、あなたが将来の夢を誰かに話した時に、それを否定するような言葉を使ってあなたの夢を壊そうとしたり、その夢を考え直させるようなことを言ってくる人です。
こんなことを言われたことはありませんか?
「そんなことあなたにできるの?」:疑い
「やめておいた方がいいよ」:否定
せっかくやる気になっていてもこういうことを言われると、自信が揺らいでしまって「本当はできないんじゃないか」「やめておいた方が良いのではないか」などと考えてしまうようになります。
ドリームキラーは誰がなりやすいのか
親や友人がなりやすい傾向にあります。なぜならドリームキラーになる人はあなたのことを良く知っているからです。例えば、居酒屋で隣に座った人があなたの夢を否定したらどうでしょう?きっとあなたは気持ちがぶれることはないと思います。つまり、ドリームキラーは少なくともあなたの行動や考えに影響を与えることができる人がなるのです。
親はなぜドリームキラーになるのか
本人の将来に対する不安に対して心配をしているため
自分自身の価値観を超えていくことが理解できないため
友人はなぜドリームキラーになるのか
本人の成功に対する嫉妬
差をつけられたくないというプライド
基本的に周囲の人はその人が変わらないでいてほしいと思っています。立場が変わることの嫉妬や、価値観が変わってしまうことへの不安感から、自己防衛的に相手の考えに対して否定的になってしまうことがあります。
ドリームキラーへの対策を考える
ドリームキラーなんて周りにいるの?と思った方もいるかもしれませんが、必ずいます。
すぐに試すことができます。友人に「知り合いの紹介で年俸900万円で管理薬剤師やらないか」と言われて転職しようと思っていると相談してみてください。必ず相談した中に「そんな甘い話はないよ」「安定しない」と言ってくる人がいます。これがドリームキラーです。自分自身の価値観の中でしか判断ができないので「900万で管理薬剤師なんて高すぎるから危ないに違いない」「こいつだけが優遇される社会なんておかしい」と思ってしまっているのです。
まずはどこにでもドリームキラーは存在するということを念頭に置いて行動しましょう
ドリームキラーという単語で検索を行うと対策がいくつか書かれています。
代表的なものとして5つ紹介します。
- 夢を他人に話さない
- 反論を考えておく
- 受け流す
- モチベーションを高める
- 自己肯定感を高める
夢を他人に話さない
「夢・目標を他人に教えない」という、最もシンプルかつ根本的な対処法になります。夢や目標を公表しなければ、「それ、無理じゃない?」と他人から批判されるリスクは生まれません。
認知科学者の苫米地英人氏によると、夢・目標を他人に教えた途端、「果たさなければいけない義務」として強制力が生じるのだそう。努力を進めているうち、より適切なゴールに気づいて軌道修正したくなることがありますよね。しかし、目標を他人に宣言してしまっていると、「ウソつき」と思われないか不安になり、目標を柔軟に変更しにくくなるのです。
大切な夢や目標を、ドリームキラーから攻撃されたくないのであれば、親しい相手にもなるべく話さず、胸に秘めておくのがベターです。
反論を考えておく
実際に面と向かって反論するのはおすすめできませんが、反論を用意しておくことで、ドリームキラーからの意見に惑わされず、しっかりと自分の軸を保っておけます。この反論を考えるときには、自身の夢や目標に対する意思を明確にするという作用も生まれます。
受け流す
いくら論理的に反論したところで、人間は簡単に自分の意見を変えません。激しい言い合いに発展してしまう恐れもあります。あえて敵を増やす必要もないと考えるのも重要なことです。
ドリームキラーに対しては、「たしかにそういう見方もありますね。参考にします」などと言って、うまくやり過ごそうと努めるのが得策です。
モチベーションを高める
何を言われようとも自身のモチベーションを高く保っておくことが重要です。気分を変えながらもドリームキラーからの言葉を反動にして大きくジャンプできるようにしましょう・
自己肯定感を高める
自分自身が特別な存在だと考えるのも重要です。他人から何を言われようとも「自信を評価するのは自分人身であって他人ではない」と思っていれば良いのです。
私の場合は理解できない人は無視していました。私のプランが理解できない人はまだレベルが足りていないのだと割り切っていました。基本的に世の中は仮説と検証の繰り返しなので、その相談相手の仮説と私の仮説に大きな乖離がある場合には折り合いをつけるのは難しいと思っています。仮説は「今後の未来」、検証は「今からの行動に対する評価」です。仮説を立てられない人とは将来の展望の話をしてもわかってもらえないし、検証方法がわからない人は行動ができない人だと思って振り切るようにしました。
転職・独立をするときには
基本的に生活が変わることに対して肯定的な人はいません。すべての会社員の中で、転職経験者は何人くらいいるのでしょう?2割くらいでしょうか、もっと少ないかもしれません。それでは独立経験者は何人くらいいるのでしょうか?1割もいないと思います。
だから
ドリームキラーからの批判(アドバイス)は未経験者からのアドバイスにすぎない
1人で抱えて転職や独立までふみきるのは止めましょう。ここで重要なのは経験者に話をすることによって自身のプランをより具体的なものにすることです。未経験者と不安を共有することではありません。
転職であれば転職エージェントに相談しましょう。転職に関しては否定的なことではなく、経験に基づいたアドバイスをもらうことができます。
絶対に周りにいます。夢の実現のためには様々な障害があります。その障害の中の1つとして捉えておきましょう。意外な人がドリームキラーとなったときに迷わないように、自身の考えをまとめておく癖をつけましょう。
余談ですが、最初に「冒険家になりたい、南極に行きたい」と私が父親に話したときの反応は間違いではなかったと親になってからは思います。子どものことが心配で、成功ルートを示してあげたいと思うのは仕方がないことでもあります。この冒頭の件に関しては打ち勝てなかった自分が悪いのです。