新着記事 PR

薬剤師の営業

記事内に商品プロモーションを含む場合があります
記事の背景

1店舗の管理薬剤師から営業がうまくいかないという相談をもらいました。元MRといっても営業に秀でているわけではありませんが、施設への営業、Drへの営業と行ってきたのでポイントを紹介します。

営業によって得た実績

私が営業を行って他の調剤薬局から切り替えを行ったのは下記です。開局当初は今に比べると時間に余裕があったので、かなりの数の営業を実施していました。経営の基盤となる施設が必要だったので、開局当初は特別養護老人ホームに狙いを定めていました。

※私が営業をして、現在は他店舗でフォローしている施設も含まれています

施設系

  • 特別養護老人ホーム(80名規模)
  • 特別養護老人ホーム(40名規模)
  • 特別養護老人ホーム(80名規模)
  • 特別養護老人ホーム(30名規模)
  • 特別養護老人ホーム(50名規模)
  • グループホーム(2ユニット18名)

Dr系

どのように営業しているか

まず伝えたいのは圧倒的に数が必要です。私の場合には特別養護老人ホームの営業先は40件を超えていました。もちろん資料を届けるだけだったり、実際に商談までいけない先も多くありますので、最終的には10件程度が上層部に会えたというイメージになります。

相談された管理薬剤師と話をしていると5件くらいしかまだ営業をしていないのに、「ココロオレル」状態だったので、少し意識のギャップを感じました。営業は失敗が当然です。飛び込み営業からルート営業へ繋いでいくことが最初のステップになります。

飛び込み営業

新規顧客に対して仕掛ける営業。アポイントの有無にかかわらず、取引のない状態を打開する営業手法

ルート営業

既存顧客に対して仕掛ける営業。定期的な訪問によって相手のニーズを把握して、提案を行うという営業手法

過去に私が出会った中で「営業の神様」と思う人がいました。その人は驚異的に人をメロメロにする能力があり、飛び込み営業で何件も新規の案件を取っていきました。通常はそういう人間ばかりではないので、スタンダードな方法での勝ちパターンを見つけていくと良いと思います。

ちなみに私の勝ちパターンは

手紙送付:まずは件数を稼ぐ

⇒ 資料を手渡し:施設の雰囲気をつかむ

⇒ 看護師面談:キーパーソンを探す

⇒ 医務室定期訪問:問題点の抽出

⇒ 紹介で総務会計へ:切り替える前のトラブルを埋める

⇒ Drへの挨拶:処方箋の流れなどを確認

⇒ 薬局切替:事後のフォローもお忘れなく

ターゲットの選定

私は全件やってみたら良いと伝えているのですが、なかなかやってくれません。そういう際にはターゲットを明確にする必要がありますが、難易度が高い先だけで10件やっても成功確率が上がりません。難易度が低い先からアプローチすると成功体験が得られるかも知れません。

※難易度は完全に私見です。施設の大小はあまり関係がありませんでした。

難易度が高い営業先

新規オープン施設

薬剤師との関係性が良い

難易度が低い営業先

Drの門前薬局が担当している

複数の薬局が1つの施設に介入している

看護師が薬剤師の名前を言えない、トラブル等があり関係性が悪い

看護師の人手が足りていない、薬剤管理がうまくいっていない

要するに手間のかかる先ほど成功の確率が上がります。他の薬局が手間が掛かりすぎて管理しきれないというところ、仕事量が多く既存の薬局が切り離したいところを探していくことが重要です。

みんながやりたいと思うような施設ではなく、みんなが敬遠する施設こそが活路です。

具体的に何をしていくか

MR時代から私は「押さない営業」をしていたので、「薬局を切り替えましょう」という提案は最後の最後まで行いません。「薬局を切り替えましょう」を相手から引き出すことで、成功確率を高めます。ここを相手から引き出すことによって、Drとの交渉が楽に運べるようになります。

それでは具体的に何をしていたのかを書いていきますが、もちろん正解ではないこともたくさんあるので、ここを考えていくことが営業の楽しみになります。ステップを意識すると楽しく発想ができます。

手紙送付、看護師面談まででほぼ成功が決まります。その先は身を任せる形になるので前半のみの記載をしています。

※前述した「営業の神様」は「押す営業」でした。タイプが少し違ったので真似できないのでしょうね。

手紙送付

意識すること

とにかく相手からの反応を引き出すことが重要

具体的な内容

24時間相談窓口あります。誤薬の際など緊急相談に使用してください。現在の薬局が閉局していて相談ができない際にはいつでもお電話ください。

配薬の手間ありませんか。配薬時のチェック、配薬サービスを活用してみませんか。

資料を手渡し

意識すること

看護師への認知(次の面談のステップ)

同じ内容でも「看護師さんに渡してください」と窓口に渡してくる

具体的な内容

勉強会(栄養、事故防止、褥瘡)しながらランチミーティングしませんか(お弁当や軽食などご用意します)。

看護師のニーズを聞きたいのでランチミーティングしませんか(お弁当や軽食などご用意します)。

高齢者が注意するべき薬のリストの提供(そのときはSGLT-2阻害薬でした)

薬剤師ができることリストの提供

看護師面談

意識すること

現在の薬局との関係性について聴取

具体的な内容

薬局としてもっと介入してほしいこと

看護師の悩み(人員等)

営業していて心が折れそうになったら

意外と理解していない場合があるのですが、営業には失敗というものはないのです。失敗というのは企業にとってマイナスなことが失敗ですが、営業に関してはマイナスがないので、どんなに契約が取れなくても失敗ということはありません。だからどんなにうまくいかない場合にも前向きに取り組みましょう。

それでも心が折れそうになったら、逆に手紙の数を増やしましょう。手紙は反応がなくても当然です。同じ内容の手紙を20施設に撒いたら、40施設くらいに撒きましょう。1回で反応がなければ2回撒きましょう。反応があったところに訪問すれば飛び込み営業にならないので、窓口で断られるなどのリスクが下がります。

営業は楽しい仕事です。会社の強みなどを相手に伝える手段でもあります。そして全面切り替えになったときのドパミンはMRでも薬局でも最高です。1つの成功でそれまでの苦労が吹き飛ぶので成功まで継続することが重要です。

私自身も特別養護老人ホーム5件はすぐに決まったわけではありません。最も長くて2年越しになったところもあります。継続しているといいことがあるかもしれません。最後まで振り落とされないことが重要です。1度断られた先でも繋がりだけは持っておくことで、相手から求められることもあるかもしれません。

これは私のパターンなので、自分のパターンを見つけるともっと楽しく活動できます。

少しだけ「押す営業」に憧れます。