新着記事 PR

薬局医薬品 販売の際の注意点のおさらい

記事内に商品プロモーションを含む場合があります
この記事の背景

医薬品の販売方法が多様化しているので、販売方法が正しいものかチェックしておくことで、販売を拡大したいときの一手となります

薬局医薬品の販売

薬局医薬品とは

医療用医薬品と薬局製造販売医薬品に分けられる

医療用医薬品

処方箋医薬品と処方箋医薬品以外に分けられる。今回販売するのは処方箋医薬品以外の医療用医薬品

薬局製造販売医薬品

薬局の設備及び器具をもって製造し、その薬局において直接消費者に販売し、又は授与する医薬品

医療用医薬品の販売(零売)

法的な根拠は何か

平成26年3月18日:薬食発0318第4号

一般用医薬品の販売による対応を考慮したにもかかわらず、やむを得ず販売を行わざるを得ない場合などにおいては、必要な受診勧奨を行った上で、第3の事項を遵守するほか、販売された処方箋医薬品以外の医療用医薬品と医療機関において処方された薬剤等との相互作用・重複投薬を防止するため、患者の薬歴管理を実施するよう努めなければならない。

第3の事項とは

1.販売数量の限定

医療用医薬品を処方箋の交付を受けている者以外の者に販売する場合には、その適正な使用のため、改正省令による改正後の薬事法施行規則(昭和36年厚生省令第1号。以下「新施行規則」という。)第158条の7の規定により、当該医療用医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者及び当該医療用医薬品を使用しようとする者の他の薬局開設者からの当該医療用医薬品の購入又は譲受けの状況を確認した上で、販売を行わざるを得ない必要最小限の数量に限って販売しなければならない。

2.販売記録の作成

薬局医薬品を販売した場合は、新施行規則第14条第2項の規定により、品名、数量、販売の日時等を書面に記載し、2年間保存しなければならない。

また、同条第5項の規定により、当該薬局医薬品を購入し、又は譲り受けた者の連絡先を書面に記載し、これを保存するよう努めなければならない。

3.調剤室での保管・分割

医療用医薬品については、薬局においては、原則として、医師等の処方箋に基づく調剤に用いられるものであり、通常、処方箋に基づく調剤に用いられるものとして、調剤室又は備蓄倉庫において保管しなければならない。

また、処方箋の交付を受けている者以外の者への販売に当たっては、薬剤師自らにより、調剤室において必要最小限の数量を分割した上で、販売しなければならない。

4.その他

(1) 広告の禁止

患者のみの判断に基づく選択がないよう、引き続き、処方箋医薬品以外の医療用医薬品を含めた全ての医療用医薬品について、一般人を対象とする広告は行ってはならない。

(2) 服薬指導の実施

処方箋医薬品以外の医療用医薬品についても、消費者が与えられた情報に基づき最終的にその使用を判断する一般用医薬品とは異なり、処方箋医薬品と同様に医療において用いられることを前提としたものであるので、販売に当たっては、これを十分に考慮した服薬指導を行わなければならない。

(3) 添付文書の添付等

医療用医薬品を処方箋に基づかずに3.により分割して販売を行う場合は、分割販売に当たることから、販売に当たっては、外箱の写しなど新法第50条に規定する事項を記載した文書及び同法第52条に規定する添付文書又はその写しの添付を行うなどしなければならない。

薬局製造販売医薬品(薬局製剤)の販売

法的な根拠は何か

平成17年3月25日:薬食審査発第0325009号

薬局製造販売医薬品の許可と承認

製造販売業許可

薬局が医薬品を製造するとき及び販売した後まで、その医薬品の品質管理及び安全管理が適切に行えるかが審査の基準(薬局が製造販売業者として適切であると判断されたときに許可される)

製造業許可

薬局の設備が医薬品の製造に適しているかが審査の基準(調剤室が製造所としてふさわしいと判断されたときに許可される)

製造販売承認

薬局で製造し販売するものが医薬品として有効性、安全性、品質の確保ができていることが承認の基準(製造物が医薬品であることを認めてもらう)

製造販売届出

製造販売承認不要の9品目が対象

薬局製造販売医薬品の製造時の記録

医薬品医療機器法施行規則等90条の規定に基づき、製造管理者は、薬局製剤を製造した場合、製造及び試験に関する記録を作成し3年間保存します。

(1)製造管理者名及び製造者名

(2)製造開始年月日及び製造終了年月日

(3)製造過程及びこれらのなかにおける各工程の管理状況

(4)製造数量及び使用した原料の数量、メーカー名、ロット番号

(5)試験の年月日及びその成績

(6)減量及び製品の管理状況等

薬局製造販売医薬品の販売時の記録

(1)その薬局において薬局製剤の販売又は授与に従事する薬剤師が販売・授与すること。(法第36の3、医薬品医療機器等法施行規則(以下、「規則」という。)第158条の7、第158条の10)

(2)薬剤師が書面により、適正な使用のために必要な情報提供を行うこと。(法第36条の4、医薬品医療機器等法施行令(以下、「令」という。)第74条の4、規則第158条の8、第158条の9、第158条の10)

(3)特定販売を行う場合は、当該薬局に貯蔵、陳列している薬局製剤を販売すること。(規則第15条の6)

(4)販売及び情報提供については、第一類医薬品と同様の取扱いとすること。(H26.3.10薬食発0310第1号通知)

(5)他の薬局等に販売してはならない。(規則第92条の3)

(6)当該薬局で調剤に従事する薬剤師が当該薬局における設備・器具をもって製造すること。(製造薬局製剤の委受託製造はできない。) (規則第96条の2)

製造販売する医薬品への記載事項

【直接の容器等の記載事項】

(1)製造販売業者の氏名又は名称及び住所(薬局の所在地) (法第50条第1項第1号)

(2)名称(販売名) (法第50条第1項第2号)

(3)製造番号又は製造記号(法第50条第1項第3号)

(4)重量、容量又は個数等の内容量(法第50条第1項第4号)

(5)日本薬局方に収められている医薬品にあっては、「日本薬局方」の文字及び日本薬局方において直接の容器又は被包に記載するように定められた事項(法第50条第1項第5号)

(6)法第42条第1項の規定によってその基準が定められた医薬品にあっては、貯法、有効期間その他その基準において直接の容器又は直接の被包に記載するように定められた事項(法第50条第1項第9号)

(7)日本薬局方に収められていない医薬品にあっては、その有効成分の名称(一般的名称があるものにあっては、その一般的名称)及びその分量(法第50条第1項第10号)

(8)習慣性があるものとして厚生労働大臣の指定する医薬品にあっては、「注意-習慣性あり」の文字(法第50条第1項第11号)

(9)法第49条第1項の規定により厚生労働大臣の指定する医薬品にあっては、「注意-医師等の処方箋により使用すること」の文字(法第50条第1項第12号)

(10)厚生労働大臣の指定する医薬品にあっては、その使用の期限(法第50条第1項第14号)

(11)毒薬には、黒地に白枠、白字をもってその品名及び「毒」の文字(法第44条第1項)

(12)劇薬には、白地に赤枠、赤字をもってその品名及び「劇」の文字(法第44条第2項)

(13)その他厚生労働省で定める事項(規則第210条)

厚生労働省のホームページで薬局製剤については個別で情報の更新が行われます。各薬品の用法用量などの更新があった際には注意が必要になります。

まとめ

最近では零売について、専門薬局が出てきています。今回のまとめを参考にして、「一部零売対応を検討してみようか」「薬局製剤を売りにすることで集患も狙おうか」など前向きな検討ができればと考えています。法律が関係しているために手間が多いように思うかもしれませんが、新規参入が少ないために自身の薬局の特色となるかもしれません。いつでも舵を切れる環境にいることが重要です。

次回の記事では販売時に陥りやすいミスについて解説できればと考えています。