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薬剤師が間違った認識を持っている営業活動の壁

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この記事の背景

薬剤師に施設への営業をしてくださいという指示を出すと「どうやるかわからない」「営業は苦手」という返事がくることがあります。きっと多くの薬剤師の方が営業というものに対して大きな勘違いをしているのだと思います。

もしあなたが施設営業をするためにアポイントをもらえたとします。あなたは手土産に何を持参しますか?何も持っていかないですか、クッキーのような焼き菓子を持っていきますか、それとも置物などを持っていきますか、この項目を読んでもらえれば営業の方法がきっとわかります。

抱いている勘違い

営業はコミュニケーションの長けた人しかできない

営業される側も迷惑だろう

玉砕覚悟で飛び込めばよい

営業はコミュニケーションの長けた人しかできない

No:コミュニケーション能力に関しては薬剤師ができていれば十分

MRとして活動していた身からすると薬剤師はコミュニケーション能力に欠けているとは思えません。老若男女問わず毎日の服薬指導を行っています。多岐にわたる患者に対して応対しているわけなのでコミュニケーションに劣っているわけがありません。稀にコミュニケーションモンスターのような異常なコミュニケーション能力を持つ者が営業にはいますが、営業の成功率と相関があるというわけではありません。薬剤師のあなたは十分に営業の適格者です。

営業される側も迷惑だろう

No:相手のメリットになる提案ができていれば迷惑に思われることはない

身近な例では迷惑な営業もあると思います。しかし、待っていて来てくれる営業の中には役に立つものもありませんか?例えば、自分の親の誕生日プレゼントを探しているとしましょう。何が欲しいかもわからない、全く見当もつかない、そういったときにデパートの店員さんが何かオススメしてくれたらどうでしょうか。シンプルに参考になりませんか?「あいつ営業してきやがって!許せん!」とはならないですよね。逆に既に買うものが決まっていて、店員さんが何かオススメしてきたときも「もう決まっています」と答えるだけで「あいつ営業してきやがって!許せん!」とはならないですよね。つまり、営業は成功したら感謝される、たとえ失敗しても誰も気にしないということが前提になります。

迷惑な営業は怪しいと思われる営業です。自身の利益を優先していないか、押売りになっていないか、プロとしての意見になっているかを振り返ればそのような営業にはなりませんので安心して下さい。

玉砕覚悟で飛び込めばよい

No:そもそも玉砕ということがこのスタイルの営業にはありえない

たまにTwitterなどで「営業して玉砕してきました」と書いてあることを目にしますが、それは大きく間違っています。1回で全部を決めようとしたら誰でも失敗します。1回での面談で全て決めるのではないのです。営業対象が同じ場所に留まっているので、ルート営業へと進化させる手法を考えていきましょう。

ルート営業の基本的な考え方

通常の意味合いのルート営業とは「既存顧客へのフォロー」、元々取引のある顧客に対してより細かなフォローやセールスを行っていくことを言います。今回の事例では既存の取引はないですが、何度も訪問を重ねていく方法を取るので広義のルート営業としました。

ルート営業にはメリットが多くあります。基本的に同じ人に会うことが多いので、ストレスが少なくなります。また、薬局という業態は差別化しにくいサービスですが、人柄で他社に攻勢を仕掛けることができます。

誰か話しやすい人を見つけて、そこから情報を引き出す、誰かに繋いでもらう、会話からヒントを見つけて仲間を増やしていくということが意識することになります。

以上のことから「飛び込み」「玉砕」と2つの点で考え方が少し違います。

どう営業を行えばよいのか

まずはターゲットを決めましょう

営業をするターゲットを決めます。このときに1軒、2軒と設定する方がいますが、それはやめておきましょう。最低でも10軒くらいは見積もっておきます。多く設定すると良いことがあります。それは資料の使いまわしができることです。薬局業務を行いながら営業活動をすると時間的な制限が加わるので、できる限り資料などは使いまわしをしてきましょう。1軒のために2時間資料作成するのはもったいないので、10軒のために2時間資料を作成してください。基本的に1年後に営業先として10軒が残ることはありません。相性が悪い施設、ストレスがたまる施設などは除外してストレスを軽減していくために、スタートのターゲット軒数を多くして、少しずつ減らしていくようにしましょう。私の場合には20軒くらいをターゲットにして開始してストレスに応じて減らしていきます。

提案する内容

提案の前に3つのステップを踏む必要があります。そのステップを踏むために情報収集を行っていきましょう。

まずは提案する前に相手方の管理方法をチェックしましょう。次に現在の薬局がどこまで管理に関わっているのかを聞き取りましょう。最後に自分の薬局ならどこまでできるのかを提案しましょう。これが重要な3つのステップです。

最後の提案は相手の予想を遥か上に行く必要があります。圧倒的な差を見せて「こんなに薬局ってやってくれるの!?」という驚きとともに切り替えを進めます。

ここではあえて具体的には書きません。自分自身の仕事量と天秤にかけて、この施設であれば自分の時間をどのくらい掛けられるかを考えていく必要があります。ここまでやらないといけないのかという先入観があるとそんなにはできないから無理かもしれないという思考に至る可能性があります。とにかく自分ならその施設のためにどこまでできるかが基準になります。

以上が施設に対する営業の考え方とどのように実施するかのポイントです。

最初の問いの考え方

全く何も具体的なことを書かないと信憑性も薄いのでルート営業のテクニックを最後に書いておきます。ここまで読んでくれてありがとうございます。

営業で面談の機会をもらえたときに手土産を持っていくケースがあると思います。この相談もよく受けますが、どちらを選択するかを理由とともに考えてみましょう。

初めてのアポイントで訪問する場合です。誰も自分のことを知らないという状況をイメージしましょう。

私と関わった多くの方がクッキーのような焼き菓子10000円で購入していました。その方に聞くと、特に理由もなく商品を選んでしまっています。これでは少しもったいないと思います。

私なら同じ10000円であれば、1個200円のシュークリームを50個を持って行っています。

なぜそう考えるのか

お菓子などの贈答品は何かのきっかけを掴むために使用するのです。モノをあげたから契約してもらえるなどとは絶対に思ってはいけません。

生菓子は絶対にその日に食べないといけないので、買ってきた人が誰なのか伝わる可能性が高くなります。自分自身のイメージとお菓子が結びつきやすくなります。焼き菓子は施設に置かれてゆっくり消費されるので、結局誰からもらったのかわかりません。さらに大量の生菓子を持ってくることで受付の方などにはシュークリームを食べる可能性が高くなります。ルート営業は施設全体のハートを掌握すると楽になるので、いろんな方とも知り合いになっていく必要があります。全く手掛かりがないと話しにくいですが、「○○さん、この前のシュークリーム食べました?あのお店知っていました?最近のオススメのお店なんですよ」という一言のきっかけにすることができます。食べ物の話題は敵意もなく、相手方も無視する理由がないので会話に発展させやすくなります。1度話すきっかけを作るということを目的に最初は訪問するので、私は生菓子を持っていきます。

ちなみに、「シュークリーム食べました?」⇒「食べてません」の場合は「○○さんにも食べてほしいんで、今度持ってきますね」、 「シュークリーム食べました?」⇒「甘いもの嫌いです」の場合は「○○さんオススメとかありますか?」 どんな展開でも会話に繋げることができます。

最初の味方は施設の中でも病院でも1人だけで構いません。1人だけでも味方がいると思えていれば営業もストレスにならないでしょう?こうやって今まで営業も並行して続けてきました。

それでは営業を楽しんでいきましょう!