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目指すべき道は?認定薬剤師制度

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以前に薬剤師は余る問題を記事にしました。

もしかすると薬剤師が過剰供給になるかもしれません、その中でもほかの薬剤師と差を付けておくことは重要です。しかし、薬剤師という仕事は「差」というのがなかなか明確にしにくい職種になります。だからこそ認定薬剤師という外部評価を得ておくだけで、転職などの際にも有利に事を運ぶことができるでしょう。

どれを選ぶ?2021年版認定薬剤師制度一覧

研修認定薬剤師

アピールポイント

「かかりつけ薬剤師」の要件となっている。

単位

4年で40単位

運営

公益財団法人日本薬剤師研修センター 他

運営を行っているプロバイダが多くあり、各プロバイダで認定単位の取り扱いなどが異なるために注意が必要になる。このブログでは日本薬剤師研修センターをメインとしている。

認定者数

108,561名(2020年12月31日の段階での集計)

申請要件

最初の単位取得日から4年以内に40単位以上(毎年5単位以上は必須)

最初の認定は、1年以内でも40単位以上を取得していれば、認定を受けることができる。1年を超えて取得される場合は、毎年5単位以上は取得が必要になる。

更新

3年で30単位以上(毎年5単位以上は必須)

備考

現行の薬剤師手帳は2021年9月で電子化に伴い販売終了。手帳がなく受講シールがある場合には「研修認定薬剤師研修シール管理表」に研修シールを貼付する

プロバイダが多くあり、単位の取り扱いなどが異なるので注意が必要。

【参考】

地域薬学ケア専門薬剤師

アピールポイント

地域医療・介護における切れ目のない薬学ケアに対応

単位

5年で50クレジット+認定施設研修

運営

一般社団法人 日本医療薬学会

認定者数

暫定認定薬剤師数:67名

申請要件

薬剤師歴5年以上、薬局実務経験1年以上(申請時に薬局勤務)

申請時点で当学会員歴5年以上

研修認定薬剤師、日本病院薬剤師会日病薬病院薬学認定薬剤師などの認定薬剤師

学会認定の研修施設での研修歴5年以上

5年でクレジット50単位以上取得

当学会参加1回以上

学会発表2回以上(本学会年会で本人が筆頭発表者のものを含む)あるいは論文1報以上(本人が筆頭筆者)など

更新

5年

備考

日本医療薬学会 https://www.jsphcs.jp/nintei/4-7.html

地域薬学ケア専門薬剤師(がん)

アピールポイント

地域医療・介護における切れ目のない薬学ケアに対応

単位

5年で50クレジット+認定施設研修

運営

一般社団法人 日本医療薬学会

認定者数

暫定認定薬剤師数:155名

申請要件

薬剤師歴5年以上、薬局実務経験1年以上(申請時に薬局勤務)

申請時点で当学会員歴5年以上

研修認定薬剤師、日本病院薬剤師会日病薬病院薬学認定薬剤師などの認定薬剤師

がんの研修ガイドラインに従った学会認定の研修施設での研修歴5年以上

5年でクレジット50単位以上取得

当学会参加1回以上

がんに関係した学会発表2回以上(本学会年会で本人が筆頭発表者のものを含む)あるいは論文1報以上(本人が筆頭筆者)など

更新

5年

備考

日本医療薬学会 https://www.jsphcs.jp/nintei/4-7.html

外来がん治療認定薬剤師

アピールポイント

地域がん医療において患者さんと家族をトータルサポート

単位

60単位

運営

一般社団法人日本臨床腫瘍薬学会

認定者数

935名(薬局勤務者は87名)

申請要件

薬剤師実務経験3年以上

当学会正会員で、申請時点で会費の未納なし

日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師、CPC認証の認定薬剤師、日本医療薬学会認定薬剤師などいずれかの認定取得

症例報告提出:外来のがん患者のサポート事例10例

更新

3年

備考

2021年8月の「専門医療機関連携薬局制度」に向けた「外来がん治療専門薬剤師」が新設された。暫定の要件としては外来がん治療認定薬剤師がある

日本腫瘍薬学会 https://jaspo-oncology.org/apacc/

緩和薬物療法認定薬剤師

アピールポイント

緩和医療を通して患者さんのQOL向上に貢献

単位

5年で100単位

運営

一般社団法人日本緩和医療薬学会

認定者数

760名(薬局薬剤師は34名)

申請要件

薬剤師実務経験5年以上

当学会員

CPC認証の研修認定薬剤師、日本医療薬学会医療薬学専門薬剤師のいずれか

申請時に3年以上緩和ケアチームまたは緩和ケア病棟を有する病院、診療所等のいずれかの施設で緩和医療に従事する薬剤師、または申請時に3年以上がん診療を行う在宅療養支援診療所等の医療機関と連携する保険薬局(麻薬小売業者免許取得等)に勤務する緩和医療に従事する薬剤師

過去5年以内で、本学会員として指定の講習等の単位履修(計100単位、毎年20単位)講習会参加1回以上

学会年会または別途規定学会での発表2回以上

更新

5年

備考

緩和薬物療法認定薬剤師の上位資格となる緩和医療専門薬剤師、緩和医療指導薬剤師が新設された

日本緩和医療薬学会 http://jpps.umin.jp/test/

在宅療養支援認定薬剤師

アピールポイント

在宅などで要支援者に専門性を活かした医療を提供

単位

3年で40単位

運営

一般社団法人日本在宅薬学会

認定者数

合格者は151名

申請要件

薬剤師実務経験3年以上

CPC認証の研修認定薬剤師、日本病院薬剤師会障害研修認定薬剤師、日本医療薬学会認定薬剤師のいずれか

学会参加、バイタルサイン講習会、指定講演等の受講で35単位取得

症例報告の提出:5事例

更新

3年

備考

日本在宅薬学会 https://jahcp.org/certified-pharmacist/

糖尿病薬物療法認定薬剤師

アピールポイント

糖尿病領域の薬物療法のエキスパート

単位

履修薬剤師後20単位

運営

一般社団法人日本くすりと糖尿病学会

認定者数

2022年に新制度になるため、旧制度での2020年の合格者は19名

申請要件

申請時に準認定薬剤師(新制度では履修薬剤師)

当学会正会員

準認定薬剤師取得後20単位以上取得(当学会発行のP認定単位15単位以上)

本学会で筆頭発表者として学会発表1回以上

症例報告の提出:自験例10例または糖尿病関連の論文3報以上(1報以上は筆頭者)

当学会員で日本糖尿病療養指導士(CDEJ)認定5年以上の者は自験例又は論文免除

更新

5年

備考

糖尿病薬物療法履修薬剤師の要件は薬剤師歴5年以上、当学会正会員、30単位以上(うち当学会発行のP認定単位15単位)

日本くすりと糖尿病学会 https://jpds.or.jp/%E8%AA%8D%E5%AE%9A%E8%96%AC%E5%89%A4%E5%B8%AB%E5%88%B6%E5%BA%A6%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

プライマリ・ケア認定薬剤師

アピールポイント

地域を基盤として疾患や年齢を問わず患者さんに携われる

単位

4年で50単位

運営

一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会

認定者数

203名

申請要件

最初の研修単位取得から4年以内に50単位以上(学会関連単位が30単位以上必要)

更新

3年

備考

更新申請時には業務実績の報告が必要

日本プライマリ・ケア連合学会 http://www.primary-care.or.jp/nintei_ph/

漢方薬・生薬認定薬剤師

アピールポイント

漢方薬・生薬の専門家として患者さんや医師に情報提供

単位

講義と実習

運営

公益社団法人日本薬剤師研修センター

認定者数

3,317名

申請要件

漢方薬・生薬研修会(講義9回、薬用植物園実習1回)を受講し試験合格

更新

3年

備考

日本薬剤師研修センター http://www.jpec.or.jp/nintei/kanpou/index.html

小児薬物療法認定薬剤師

アピールポイント

小児薬物療法に通じ、患児や保護者にも適切な指導を行う

単位

研修+実務研修

運営

公益社団法人日本薬剤師研修センター

認定者数

772名(薬局勤務者は256名)

申請要件

保険薬局、病院・診療所の実務研修3年以上

現在、保険薬局、病院・診療所に勤務

小児薬物療法研修会の終了と試験合格

当センター登録病院で1日(原則6時間)の実務研修

更新

3年

備考

更新申請時には業務実績の報告書が必要

日本薬剤師研修センター http://www.jpec.or.jp/nintei/shouni/

認定薬剤師を強みにステップアップしよう

以上が現在進むべき方向として2021年の段階で示されている専門認定です。記載した通り上位職ができたりなどさらなる分化が進んでいく可能性があります。いずれにせよ3~5年と取得するまでに時間がかかるものも多いので、自分の興味があるものにまずは絞ってエントリーしてみると良いと思います。

そこで2点の提案です。

認定取得までサポートしてくれる企業を探す

認定取得には時間もお金も掛かります。この学会の登録料などが自腹のところともあれば、学会の入会料や参加費、講演会などの受講料、さらに交通費までサポートしてくれる企業もあります。例えば学会の年会費が1万円だとしても、学会参加費1万円、交通宿泊費3万円だとしてなかなか個人での負担は大きくなります。実際に私の会社では数店舗の薬剤師が手挙げしているので、全て経費で賄うようにしています。

一方で自己研鑽として全く関与してくれない企業もあります。有給を申請して学会に参加するなども聞いたことがあるので、企業によってサポートは大きく異なることがわかります。

もしこのような認定に興味があり将来的に取得を目指す場合には転職もオススメします。

認定取得後に好待遇で雇い入れてくれる企業を探す

認定を取れてから実際にどう生かすかを考えてみてください。

今の店舗や業務でその知識が活かせそうであれば問題ありません。しかし、実務の報告なども含めて取得後にも定期的なフォローアップが必要な認定もあります。認定を取って終わりにならないようにしなければなりません。

そこで、この認定を活かして転職も検討してみましょう。

まずは認定を持つ薬剤師の市場価値をわかっていなければなりません。現場なのか、マネージャーなのか、指導者側のスタッフなのか、そして年収としてはいくらが求められているのか、以上のことを把握しつつより自身のスキルを活かせる職場を探してください。